2020.07.06

【モノオク株式会社】空いたスペースを有効活用!スペースのシェアリングサービス

阿部 祐一氏

1991年生まれ。関西大学卒業後、Crewwにバイトとしてジョイン。シェアリングエコノミーに関係した複数のサービスをリリース。現在培ったシェアリングエコノミーの知識を携え、モノオクを開発。
伝え方がヘタであまり器用ではない。メンバーから突っ込まれることも多いが、いつも誰かがそばにいてくれる愛されキャラ。ユーザーから食事に誘われるほどの距離感のなさが魅力。とっても頑張りやさん。

 

中学生から起業家を志す

ー今日はよろしくお願いします。早速ですが、阿部さんはどうして起業しようと決めたのでしょうか?

中学生の頃に起業したいと思いました。僕らが中学生の頃は、ネットバブル全盛期でLivedoorの堀江さんやサイバーエージェントの藤田さんなどがすごい活躍されていました。当時、将来何したいのか色々考えたときに、やりたいことを何でもできる起業家はすごい良いなぁと思ったことがきっかけです。

 

ー中学高校時代に起業をしたり、事業を起こしたりはしましたか?

僕が通っていたのは、いわゆる普通の中学、高校で起業をするにしても何もわからない環境でした。なので、特別インターンしたりとかそういうことはしてませんでした。

 

ーHPの紹介文にCrewwでのバイト経験が書かれています

大学の時に、若者に年金や株式投資などお金に関する教育セミナーを行う学生団体を立ち上げました。今でいうZuuみたいな感じです。

その学生団体が、4年生の時になくなってしまいました。就活の時期も終わっていて、これからどうしようと考えていた時に、Crewwの代表の方がたまたま登壇で僕の大学がある関西にきていました。その時に初めてスタートアップを知り、「こういうのがあるんだあ」と関心を持ちました。「良い会社ですね~。今度遊びに行ってもいいですか。」と訪問の約束をし、そのあと東京に押しかけました。そこで、「いいオフィスですね~。今日からお世話になります!」っていう感じでジョインしました(笑)

Crewwは大手企業とスタートアップをつなげるというプラットフォームビジネスをしていました。その中で、大手企業に営業をする人はいっぱいいたのですが、スタートアップに営業をする人は少なくて、その仕事をしていました。例えば、「ローソンが協業するスタートアップを探してますけど、興味ないですか?こういうリソースが使えますよ。」みたいな呼びかけです。

 

ーその後、複数のサービスを立ち上げたとあります。

当時、僕がCrewwで働いてるときはシェアリングエコノミーが全盛期でした。それで、「すごい面白いサービスがあるんだな。」と思い、シェアサービスにハマり、それに関するビジネスをしようと思いました。そして、Crewwを辞め、独立して宅建のクラウドソーシングを初めました。このサービスを使うことによって資格を持っていない人でも不動産仲介ができるというものでした。そうすると、仲介手数料が安くなるなどのメリットがありました。しかし、家を借りる人にとっては安くて良い部屋に住めればそれでいいわけで、僕のサービスがそのニーズを満たすことは直接的にはできませんでした。あと、宅建や不動仲介に関するバックボーンも一切ないことなども原因で失敗しました。

同時期に、民泊の事業やシェアリングの事業をいくつかやっていました。

 

ー撤退しようと決めた理由を教えて下さい。

まず、宅建のサービスは売り上げが0でした。不動産仲介をしたことがなく、そのサービスを作るのに業界の事も何も知らなくて、それはおかしいと思い、色んなツテで不動産仲介をさせてもらうようになりました。実は、問合せとかはあったりしたんですけど、当時周りに宅建の人がおらず、宅建の人が周りにいないのに宅建のクラウドソーシングのサービスを始めていたんですよ。「来てから探せばいいや」みたいな(笑)

そんな感じで、ニーズはあるけど難しい事業だと思ったのと、本当に解決すべき課題に直結はしてないなと思い辞めました。

 

「空きスペース」のマッチング

ーそこから、モノオクをローンチするまでの経緯を教えてください。

宅建のサービスはやめることになったんですけど、同時に運営していた民泊の運営は順調で、業者からの運営依頼など、色んな人から仕事をもらうようになりました。ある日、たまたま、ホストの方の家電を民泊のスペースで預かることになりました。「全然良いんですけど、なんで置きたいんですか?」と聞くと、「トランクルーム高いし、使いにくいし。」と。そこで、調べてみるとトランクルームには課題が結構満載でした。まず、費用が高い。初期費用だけで3か月分くらいの値段がしたり、一畳で1万5千円くらいしたりするんですよ。そうすると、1か月使うだけで5万はかかります。そこに配送費などもかかります。あとは、空きがないこともありました。供給が追い付いておらず、例えば四畳使いたいのに八畳しか空いてないとかいうことがありました。しかも、手続きが不動産の延長のビジネスなのでかなり面倒くさい。FAXとか連帯保証人が必要とかめっちゃ大変なんです。

これを、シェアスペースで預かれば解決できるんじゃないかと思ったのがモノオクを思いつくきっかけです。

 

ーモノオクについて教えてください。

モノオクは、子供が出ていったなど、空いているスペースをお持ちの人と荷物の置き場に困っている人をマッチングする、シェアサービスです。

モノオクのマスコットキャラクター「モノボーイ」

 

ーニーズ調査や、顧客インタビューはどのように行いましたか?

掲示板サイトやメルカリで「荷物を置きたい人はいませんか?」と自宅のクローゼットを出しました。そしたら、いいねがたくさんついて、実際にお金を払って使用する人もいました。そこで、ニーズがあると確信しました。クローゼットを見に来てもらったりしたときに、「他人の家に預けるのに抵抗はないですか?」「安全面どう思いますか?」「なんで困っているんですか?」などの質問もしました。すると、僕が思っていた通りの課題を抱えてることが分かりました。また、お金を払ってもらえたことも大きかったです。お金を払ってもらうという一番高いハードルをすんなりと越えることができたので、これはイケると思ってサービスとして形にしてみようと決めました。

 

ー営業活動はどのように行いましたか?

まず、モノオクで一番最初に大変だったのはモノを置くスペースを確保しなければいけないことでした。これがすごい大変で、PRをめちゃくちゃ頑張りました。月に一回はプレスを打ったり、メディアの方とも関係を築いたり、ブロガーの人に記事を書いてもらったりしました。そういった、サイトなどを見てモノオクに興味を持ってくれた人がモノオクを検索して登録してもらえるような面取りを意識して行いました。他にも、泥臭いこととしてはIVPさんも出資されているジモティーさんに「場所登録しませんか?」と投稿したりとか、フリーランスの方がお仕事もらうようなサイトでアンケートを募集する体(てい)でスペースの出品をお願いしたりとか(笑)色々していました。

 

ーシェアリングビジネスのスタートアップはサイトのUI/UXをかなり工夫していると思うのですが、何かモノオクのサイトで工夫したことはありますか?

話し始めると尽きない話ですね(笑)

スペースの獲得に関しては、それなりに順調にいきました。毎月コンスタントに取れて、今では何も宣伝をしなくても毎月100件は出品があります。

そこから、預ける側の獲得が大変で色んな試行錯誤をしました。

うまくハックできた例だと、投稿される写真をきれいにしたことがあります。当時、すごく人気のスペースと全く売れないスペースがはっきり分かれていました。そこで頭を悩ませるんです、「何でだ?」と。その時にAirbnbがグロースした時の有名な話で、プロのカメラマンを派遣して写真をすごくきれいに撮ったというのがあり、「モノオクもそこなのでは?」という話になりました。やっぱり、個人の方のお家に預けるので見た目は重要なんですね。なので、中古でカメラを買ってホストに連絡して写真を撮りに行きました。その写真を使って、出品するとうまくいって、きれいな写真を撮ったところは人気になりました。将来的にはAirbnbみたいにプロのカメラマンをガツガツ派遣していきたいのですが、今はリソースがないので厳しいです。そこで、今はきれいに撮ったサンプルを表示してホストにこんな風に写真を撮ってほしいとお願いしています。また、画像をホストに送ってもらって、僕らできれいに加工して掲載してもらえるようにもしました。

投稿の際に表示される置き場の写真例

 

 

失敗できない中での手探り

ー今までのハードシングスはありましたか?

まあ、みんなコロナで今がハードシングスですよね(笑)

そうですね。一番のハードシングスはANRIさんに出資してもらってるんですけど、その投資をしてもらう前が一番大変でした。当時、スペースの確保はある程度できていたんですけど、預ける側のユーザーが全く獲得できませんでした。これがすごいハードシングスでした。スペースを提供したい人はいっぱいいるという仮説はある程度検証できていたのですけど、そこに荷物を預けたい人はいないと言われてもおかしくない状況でした。確かに、その通りなんですけど、だからといってどうすれば良いんだという感じでした。

資金もなくなりかけていました。シードでエンジェルから出資を受けたのですが、そこでお金の使い方を間違えて無駄なところにバンバンお金を突っ込んでいたんですよ。何もない状況で顧問を雇ったりとか。適切に導いてくれる人がいれば、適切にグロースしていくのではないかという仮説をもっていたのですが、何から手を付けていいかわからない状況なので顧問もアドバイスの仕様がないんですよ。なので、「ユーザーにヒアリングした方がいいよ。」とかそういう話にしかならないんですよね。「そんなん、分かってるわ」みたいな(笑)

そういう変なお金の使い方のせいで資金も尽きそうで、使っている人も全然いないという状況でした。それが、ハードシングスでしたね。

それでも、可能性を感じてANRIさんに投資して頂けたので何とかハードシングスを抜けることができました。出資から半年くらいたった去年の1~4月の引っ越しシーズンからユーザーも増え始めました。人の移動が増えると、モノオクの需要が増えることが分かりました。人の移動と同時に荷物も移動するので。

 

ー資金調達について教えてください。

もちろん調達自体は大変だったんですけど、僕らはかなり恵まれてる方だと思っていて、ANRIの時もあたって6社くらいでしたね。前回の2019年の時も10社はあたってないので。ただ、調達のたびに経営者としてのレベルが上がるとよく言われると思うんですけど、僕もそれを顕著に感じました。次のラウンドに進むための知識やスキル、マインドなど色んなものが必要になると思います。それを調達をするときごとに結構しっかり感じるんで、それがなかったら、中途半端な調達になってしまったりするんだろうと今は思います。

ANRIに出資してもらったときは、ぶっちゃけプロダクトなんて無くてよくて、その事業をやり切るかどうかっていうマインドが大切だったと思います。代表の人あるあるだと思うんですけど、エンジニアの人とかを雇っていく中でどこかで保険をかけると思うんですよ。「会社畳んだらこの人たちどうなるんだろう。だからここで保険とっておいた方がいいな。」とか、色んな人が思ったりすると思うんです。でも、そうではなくて。「死ぬ気でこの人たちは何とかする。」みたいなマインドにならないと調達はできないなっていうのは明確に感じましたね。「死ぬ気でやります。」って言えるかどうかです。「会社を畳んだら、ああしなきゃな。」とか逃げ道を作るんじゃなくて、「いや、成功させるんだ。だから考える必要がない。」みたいな頭おかしいマインドにならないと(笑)「こういうマインドになれないと、この先“スタートアップ”できないんだな。」と明確に思ったのがANRIの出資の時でした。

 

ー起業家サイドから見て良いVCとは?

起業家がVCに求めることって1つしかないと思っていて、事業が成長するのに役立つかどうかです。じゃあ、事業を成長させるのにVCが起業家や事業にできることって大きく3つあると思っていて、を紹介できるか、事業に対して適切なインサイトからのアドバイスができるかどうか、起業家に足りないスキル的な何かを提供できるかです。色んなVCの方がいてスタイルとか色々あると思うんですけど、この3点でどういう風に事業及び起業家と二人三脚して行けるかっていうのがすごい需要なんじゃないかなって思います。

 

モノオクはすべての人のライフスタイルに寄り添う。

ーモノオクのサービスを通じてやっててよかったと思った瞬間や長期的なビジョンを教えてください。

課題の仮説があって、実際に困っている人がいて、それをモノオクで解決することができて「ありがとう。」って言われることが嬉しいですね。

シェアリングエコノミーを通じてコミュニケーションを生み、社会的つながりを増やしていくということが僕らのビジョンとしてあります。預けた側と預かった側でいいやり取りが生まれるんですよね。「すごい助かりました。ありがとうございました。」みたいな。そういうやり取りが生まれるのもすごく嬉しい話ですし、モチベーションにすごいつながります。

印象に残っているエピソードもあります。テストの段階で掲示板だけで募集してきたときに東京の港区でマッチングさせることができたんですけど、その方から北海道で引っ越すので止めますっていうのを1年くらいしてから言われたんですね。「モノオク使えてすごい良かったです。ありがとうございました。これからモノオク頑張ってください」と。ちょうどその時にサービス作っていて、「モノオク広まったらまた使いますよ。」って言ってもらいました。まだ、初期の段階なんで北海道で使うのはまだまだ時間がかかると思ったんです。でも、普通に引っ越し先の近くにスペースがあってその人が、今でも使ってくれているんですよ。これは、めっちゃうれしかったです。

 

将来、モノオクがどうなっていくかってことなんですけど。モノオクって、ライフスタイル全般に関わっているサービスなんです。どういうことかというと、例えば、結婚して一軒家買うじゃないですか。そうすると、大体子ども部屋を用意していると思うんですよ。でも、そんなすぐに子ども部屋を使わないと思うんですね、生まれる前やまだ小さい時には。そういう時に、その分のコストをモノオクで貸し出せば費用をカバーできたり収入にもなったりします。また、子どもが大きくなって部屋が大きくなったらモノオクでスペースを借りたりとか。もっと大きくなって家から出て行ったりしたら、またスペースを貸したり。

買った家の価値って30年後下がっていると思うんですよね。でもモノオクをうまく使うことによって利回りを出せたら不動産的にもすごくいいですよね。そういった意味でその人のライフスタイルすべて、人生の中で荷物の収納スペースというところでサポートしていく企業になれればと思っています。

モノオクの皆さん

 

ーコロナについては影響はありますか?

当初僕らも、ダメージがありました。例えば、留学でモノを預けたいんですけどっていうのがキャンセルになったり、ロックダウンが出るかまだ分からなかったときにみんな予定をたてられなくなってしまって、そうすると物流は止まってしましましたね。でも、テレワークの普及やオフィスの撤退縮小が入ってきている中で新サービスとかを始めて、僕ら的には今は追い風な感じがしますね。これから、オフィスの撤退縮小が増えていくと思うんですけどその中で荷物どうしようっていう問題が必ず出てくると思うんですね。どれだけ処分するのとか、荷物保管するのかとか、配送はどうするんだとか。僕らはそのすべてにノウハウアセットがあるので、僕らに頼んでもらえれば楽に一括してコストも安くできるという新サービスです。3,4月からコロナに対してアンテナたてていて、その中でオフィスの撤退縮小が見えてきたので1週間くらいで用意して始めました。実際に利用してくださった企業もありますし、問合せ自体もたくさん来ているのでニーズはあると思っています。

あとは、モノオクってもともとストック型のビジネスで預けた人が基本的には預けっぱなしになるので観光系のサービスみたいに売上げが急に0になるとかはなかったですね。

 

ーIVS LaunchPadに参加してみての感想を教えてください。

IVSのLaunchPadという舞台に立たせてもらって、スタートアップとしてステージに立った感っていうのはすごいありましたね。モノオクというサービスがスタートアップとして名乗り出たぞっていう感じをIVSのLaunchPadですごい感じました。スタートアップってムラ社会だと思うんですけど、そのなかでLaunchPadに出たっていうことでやりやすくなりました。LaunchPadに出ていないスタートアップがIVSに行ったところで「誰?」ってなると思うんですよね。でも、LaunchPadに出て色んな方と仲良くしてもらって色々紹介してもらえたり、エンジェルの方の出資とかもLaunchPad後とかにありましたし、やっぱりIVSっていうのはすごい良いものだと思っています。

 

ー新生IVSに期待していることはありますか?

新生IVSいきなりオンラインで始まると思うんですけど、オンラインだからオフラインに劣っているというわけではないんですよね。どうネットワーキングするかとか難しいことはあると思うんですけど、時間的制約がなくなったりとかコンテンツを豊富にできたりプラスの面もあると思います。なので、新生IVSにはオンラインになったからこそのカンファレンスというもののスタイルがどうなっていくのかの指標としても期待しています。また、参加者や登壇者も新しい人が増えたり世代交代があったりしてほしいですね。

 

新サービスのご紹介

新型コロナウィルスの影響により、テレワークの普及や生活様式に急激な変化が起き、オフィスのあり方が見直されようとしています。

モノオクは、新たなオフィス戦略を支援すべく「荷物の配送・処分・保管」を一気に解決するオフィス撤退・縮小サポートを開始いたしました。

■オフィス撤退・縮小サポート

https://note.com/monooq/n/n78fb0d30cff2

■モノオクはこちら

https://monooq.com/

 

取材・編集 : 西島伊佐武 / ローランド・ノエル