【株式会社オールジョブスジャパン】外国人雇用問題を解決!「Connectee」

2020.07.13

杉原尚輔氏

2008年慶應義塾大学経済学部卒。慶應義塾大学在学中に、国家公務員1種経済職全国14位の成績で合格。米国スタンフォード大学に研修。2010年一橋公共政策大学院公共経済コース修了。 一橋公共政策大学院在学中にIBPグローバル留学プログラムの特待生として英国ウェストンミンスター大学へ留学。一橋公共政策大学院修了後、2010年4月ドイツ証券営業本部に就職。営業として、20代で35歳以下、債券、株式営業でトップセールス、2016年上半期外貨債券営業部トップセールスになる。 2014年5月、以前より問題意識のあった英語教育事業で起業、ファンデミーキッズを設立。2016年4月外人バンクを設立。2016年7月より独立。

 

留学が大きな転換点

ー杉原さんの経歴についてお聞かせください。

自分の父が東京の区議なんですけど、学生のころは、政治家になろうと考えてまして、それで国に関わることやりたいなと思って公務員になろうと思ってたんですよ。それで公務員試験を受けて突破することができました。その後、大学院に行ったときに社会人になる前に留学しておこうということでイギリスに行かしていただきました。そのときにマインドが変わったというか、ちょっと公務員じゃないかもしれないなっていうふうに自分で思いました。営業の力っていうのは多分どんな仕事についても必要だなと思ったので、営業力が一番つくであろうと思ったのが当時の外資系金融業界でした。それで金融業界に行ったっていう経緯があります。

ー留学先で何があったんですか?

英語を使い、国際的なことをやりたくなったっていうのがあります。英語をせっかく学んだのでそれを生かしたいなと。公務員だと基本的にドメドメで、環境もかなり違います。海外に行ったことによって、それにも違和感を感じたっていうのはあったと思います。

ー留学先で何か印象に残ってるエピソードなどありますか?

スタンフォードに行ったのは大学2年で2回目の海外でした。そのプログラムでは10日間ずつ、3人の学生と寮で一緒に生活しました。一緒に同じ部屋で寝ると、本当に世界でトップの人たちが夜遅くまで勉強してるっていうところに刺激を受けました。当時はそんなにテクノロジーに感化されなかったんですけど、今思えばテックに対する話が結構出てて、もう少しそこに感化されていればなって今では思います。よくGoogleの話とかが出ていた気がしますね。スタンフォードの学生の方が確実に、日本の学生よりテクノロジーに対するアンテナを張ってるじゃないですか。そんなことがあったなっていう感覚はあります。

ードイツ証券での営業の経験の中で今に繋がっていることはありますか?

今に繋がるかはわからないですけど、最初はもう御多分に漏れず非常に苦しみました。やっぱり、特に若いとき、学生の時って生意気なとこありますよね。先輩の方が年が上だからといって迎合するタイプではなかったです。自分の方が仕事できるという感覚が当時の僕にはありました。まだ実力がない中、そういった感じでドイツ証券に入ってるので、先輩たちに良い意味でもまれたと思います。初めは、いろいろ覚えなきゃいけないことも多かったし、結構苦労はしたんじゃないかなと思いますね。

3年目ぐらいから少しずつ結果が出始めまして。苦労した中で結果を出す、困難を乗り越えるっていうことが、その後の自信に繋がりました。事業をしてもいけるんじゃないかなって自信に繋がったっていうのはあると思いますね。やってることは全然違うので、事業内容としてはあまり繋がってるとは思わないですけど、そういった経験とやっぱり営業力っていうのはついたかなと思います。

 

社会にインパクトを与える実感

ーそこから起業するまでのお話をお聞かせください。

3年、4年で結果が出て、こんなこと言うのもあれですけど、あんまり金融に大きく興味を持てなくなり始めて。もともと政治家とか目指してたのもあって、やっぱり国にインパクトを与えたいと思っていました。金融ってそういう実感がないんですよ。僕は外国債券の営業だったんですけど、債券を買うとか売るとか、儲かってとか儲からないとか。社会はどう変わったんだろうっていうのは、正直実感ないんですよ。イメージできるかなと思うんですけど、そこの達成感みたいのが、金融ってないなって思いました。数字を上げたしかないんですよ、達成感って。それで事業、実業っていうことに興味を持って、何か自分にできることがあるんだったらやってみたいなって思い始めたのが4年目ぐらいですかね。

ー大企業から起業するとき、不安はありましたか?

めちゃくちゃありましたよ。日本の大企業って、どんどん辞めづらくなるんですよ。どっかの大きい会社とか入っちゃうとそうなるんですよ。リスクが取りづらくなるというか。逆に僕が今、学生に言うんだったら、もう今からやっちゃうってのが一番リスクが少ないよって言うと思います。

学生からすると、そもそも仕事したこともないから、何やればいいかわかんないっていうのがまずあって大変だと思うんですけど。それでも、もし、起業するってなるんだったら、学生中にやるっていうのは、大いにありだなと思います。元気だし、若いし。

 

社会人5年目から副業開始

今のコネクティーの前にもいくつか起業されていたと思います。

そうですね。最初は英語教育。留学し大学院のときに英語教育に関して論文書いたんですよ。なので、かなりシンプルですけど、英語教育について事業をやろうと思いました。英語を教えると。ダンスも教えてたのでそれをミックスさせて、英語でダンスという授業にしたんですね、楽しく学べるかなということで。その時ドイツ証券と、そのファンデミーキッズという事業の両方をやってたんですよ。5年目6年目ですかね。

5年目のときは両方やってたんで、めちゃめちゃ忙しかったです。夜7時ぐらいから練馬平和台に移動してチラシ配りとかしてました。本当意味でのダブルワークという感じでした。6年目は週1回に減らして、別の事業のことを考え始めました。

そして、今後は外国人がもっと増えるだろうというふうに思いまして、あまり人材業務はやったことなかったんですけど、まずは外国人特化の派遣と紹介をやろうということで外人バンクというのを立ち上げたっていうのが、2016年です。

ーそれはどういう事業だったんですか?

シンプルに外国人の方を集めて、お仕事先に紹介するっていうサービスです。

今やっている、オールジョブズジャパンというのは、いわゆるメディアで、直接お客さんと外国人の方がやりとりするんですけど、外人バンクっていうのは我々がインタビューとかして、その方々を紹介する、我々が間に介在するサービスです。

オールジョブズジャパンはイメージとしては、外国語版のタウンワークみたいな感じです。そこから、今回Connecteeというアプリを開発しました。僕ら自身がその外国人の方を雇用してるので、雇用してる中で問題が出てくるんですよ。例えば、コミュニケーションがうまくできないとか、もう一つはビザの管理ですね。在留カードは本物かどうかとか、期限がまだありますとか。それを解決するためのアプリがコネクティーというSaaSのアプリで、それをメインとしてやらさせていただいてるような状況です。

コネクティーのロゴ

ー実際の課題は外人バンクやオールジョブズジャパンとかをやっていく中で、感じてきたということですか?

そうですね。例えば採用してから、日々コミュニケーションってあるじゃないですか。日常会話ができても、書いたり読んだりするっていうのが非常に難しいんですよ。皆さん、LINEとかでやると思うんですけど、裏ではGoogle翻訳とかを使ってコピー&ペーストしてるんですね。それは結構面倒くさいので、アプリ上ですぐ翻訳できるようにしようというのが最初ですね。そこから今特に売れてるのがビザの管理です。やっぱりビザの方が皆さん、センシティビティーが高いので、売れています。

ー実際にサービスの立ち上げにあたって、話を聞きに行ったりニーズを調査したりはされていますか?

昨年8月ぐらいにローンチしたのですが、その時に既存の外人バンクなどのお客様に「どういう問題がありますか」とか「我々はこういう風に思ってるんですけど、御社はどうですか」とかユーザーインタビューを行いましたね。

さっき言ったチャットのやりとりをどうやっているかというのは、実際のお客さんが実はLINEGoogle翻訳を使っているんだよね、というのを教えてくれたりとか。あとビザの方は、在留期限の管理から始めたんですけど、お客様の方から、これが本物かどうかわからないという声がありました。それを調べたところ、在留カードに内蔵されているICチップを読むしかないということになりました。その後、それを読める機能アプリに追加し出来るようになったのはお客様のアドバイスのおかげなんですよ。

ー在留カードの偽物がそんなにあるんですか?

結構出てきてますね.使っているお客さんの中でも、ICチップが読めない人っていうのが出てきています。偽物っていうのはICチップ入ってないケースがほとんどなんですよ。なので、実際流通しているし、偽造のカードを作って逮捕されているニュースも結構最近は多いですよね。警察で検挙されているのだけで数年前だと数百件でしたね.もちろんされてないのは全然もっとあると思うんですけど。

ーConnecteeの導入先にはどのようにリーチしていますか?

最初はやっぱり外人バンクとかオールジョブスジャパンのお客様にアプローチしていきました。そこから磨いていって、今年の3月ぐらいからプレスリリースとか、デジタルマーケティングを強めていきました。そこから問い合わせが毎月増えているような感じです。「使いたいんですけど、デモを見せてください」と。皆さん課題が明確なので、導入がすぐに決まる場合が多いです。

ーチームに外国人の方が多いと思いますが、採用はどのように行ったのですか?

エンジニアの人はエンジニア採用の広告を使ってました。そこで、我々にもともと外国人が多かったっていうのもあって、外国人の応募が多かったです。それと、そもそもコンピューターサイエンスで卒業してる人に絞ってるわけじゃないんですけど、エンジニアにはスクリーニングのテストがあるんです。それを突破する人が結果的に西洋のコンピューターサイエンス卒業の人が多かったので、そういう人を採用しただけですね。

 

会社の指針が変わっていく中でチームに摩擦が

ー外国人の方をマネジメントする際に大変なことはありますか?

コミュニケーションは問題ないですね.英語も話せますし,前の仕事では周りのトレーダーとかも外国人ばかりだから慣れていて。マネージメントで一応気をつけてるのは日本人の価値感っていうのをあんまり押し付けないようにしているということですね。もちろんハードにぶつかったこともありましたけど、やっていく中で学ぶしかないんですよね。僕はマネージャー経験がなかったので、最初はやっぱり少し大変だったとは思いますけど今は慣れてきたって感じです。

ーハードにぶつかったとは?

そうですね、我々が目指してるところに対して、勤務態度を含め姿勢っていうのがフィットしてないと、修正してもらわないといけないじゃないですか。ぶつからないといけない。こちらも、ものすごく真剣にやってるから、当たり前ですけど、言うことは言う。そういうつもりじゃなかったということは多分お互いにあったと思います。お互いの思っていることを共有することは結果を見ても重要だと思いますね。

ーそういった中でハードシングスなどは何かありましたか?

今、MTICとオールジョブスジャパンと会社が二つがあるんですけど、MTICの方でちょうど2年経って、オールジョブスを作るときにより成長を求める中で組織を変える必要がありましたね.変わるときにはそれなりの摩擦が起きてしまいますね。

外国人労働者を救う情報プラットフォーム

ー資金調達については考えていますか?

今はどちらかというとトラクションを出そうと頑張ってます。MTICの方はどちらかというと派遣業がメインなので、キャッシュフローがあります。トラクションがConnecteeのほうで出れば,調達をしていきたいなというふうには考えてますね。

ー今までこういった事業をやってきて良かったということや、これからのビジョンを教えてください。

我々はブルーカラー系の仕事に人材を紹介してまして、日本でそういうお仕事を探してる方っていうのは、本当に困っているんですね。生活するために仕事を探していますし、僕らのサポートがなかったらその仕事が見つからなかったかもしれない人っていうのは、多くいます。そういう人たちに紹介したあとに感謝されたときっていうのは本当に気持ちがいいですし、やってよかったなと思うものがありますよね。

今後のビジョンとしては、プラットフォームを作ろうと思っています。僕がこの事業始めたときに思ったことが、外国人向けの仕事の情報っていうのが、本当に散在してて、まとまってないんですよ。それをまとめるために、ウェブの多言語対応プラットフォームっていうのを作りたい。それがうまくいけば、本当にいろんな外国人向けの仕事情報が多言語で情報を伝えることができる。そのプラットフォームを通じてまずは日本にいる外国人の方に役に立つような情報を届けたいと思っています。

ーコロナの影響はなにか感じましたか?

僕らは少人数なんですけど、リモートに関しては結構本人の意向に任せています。今は、メンバーの半分くらいが会社に来ています。
事業の収益に関して例えば、アプリの方で言えば、問い合わせが4月ぐらいは減ったっていうのがあるんですけど、56月は回復していています。デジタルマーケティングか上手くいってるっていうのもあり、3月よりも今の方が全然いいですね。

刺さっている業界もより明確になってきたっていうのが今の状況です。エムティックの方では競合だった人材紹介会社とか、派遣会社さんが結構問い合わせ多くて、そういう方向けに今結構対象ターゲットを少しずつ集中してるような感じですかね。絞っているわけではないですけど。

ー人材サービスの会社から問い合わせが来るのですか?

そうですね。おそらく一番外国人を採用してるのが、人材紹介会社です。外国人候補者は日本語がうまくない人が多いので、やっぱりそういった会社を通してお仕事を紹介してもらうケースが多いんですよ。日本人だったら例えば、メディアを通じてダイレクトでやるじゃないですか。それが言葉の問題でなかなかうまくできません。そうすると彼らと一番接している人が人材紹介会社なので、そういうところから問い合わせが、特にビザのところは多いと思いますね。

ー最後に、IVSに期待すること、意気込みなどがあればお願いします!

今回のイベントを通じて今の最先端の他のスタートアップが何やってるかっていうのはもちろん興味深く聞きたいですし、それプラス個人的にはネットワークのオンラインスペースには大いに期待しています。新たな投資家さんとか業務提携できる人との出会いに期待しています。

ーお忙しい中、ありがとうございました!

 

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取材・編集 : 西島伊佐武 / ローランド・ノエル